ベルリンには「小銭をくれないか」といってくる人がときどきいる。
駅や電車の中や街中、カフェでお茶を飲んでいてもそういう人が回ってくる。
海外旅行にいくとそういう人はしばしば見かるものだけど、なんというか、、ベルリンではあまりにあっさり爽やかに小銭を要求してくるのに最初少し驚いた。
そうして、意外と多くの人がお金を普通の渡しているのにも驚いた。
路上でいきなり話しかけられて、「えっっ?」って聞き直しているおばちゃんなども、その意図を察すると「ああ」という感じで財布をごそごそ。「はい」って渡して、そこから世間話が始まることもある。
路上でのパフォーマーも多いから、見知らぬ人にお金を渡すことに慣れているのかもしれないけれど、電車やカフェに「小銭頂戴」を回ってくる人々を、お店の店員たちも追い出すことはない。
むしろ時々、ケーキを出したりしている。
電車の中での彼らは実に堂々としている。
ある駅で乗り込んできて扉が閉まると、まずは口上から始まる。
自分の名前は○○で以前は何をしていたけれど今は仕事がないこと。
できたら小銭か何か食べるものをくれないか。
そういうことを独特の節回しで明るく元気な声で言った後、最後に「きいてくれてありがとう。お邪魔しました。良い一日を!そして旅行者の方はベルリンを楽しんで!」と締めくくり、車両を巡り紙コップを差し出す。
無視する人もいれば、財布をごそごそ出す人もいれば、会話を始める人もいる。
そんな中で以前から不思議だったのは、路上で新聞を売る人々の存在のこと。
私は日本でストリートマガジンの「ビッグイシュー」のライターもしていた。
ホームレスの人々が路上で雑誌「ビッグイシュー」を売り、その売り上げの一部を収入とするものだが、その活動内容に賛同もしていたし、雑誌自体も好きだったから昔から購読していたものだった。
だがこのようなストリートマガジンは、「ビッグイシュー」に限らず、世界中に存在している。
仕事がないホームレスの人々に、雑誌販売という仕事を提供していくというこの活動については、ビッグイシュー編集部の八鍬加容子さんが、現在サバティカル休暇を取りつつ、世界一周ストリートマガジン現状取材をされている。(「世界のストリート・マガジンをたずねて」)
さて、そのストリートマガジン。
ベルリンでも独自の雑誌が発行されている。
Motzというその雑誌。
ベルリンに来て以来目にはしていたが、実は買ったことがなかった。
というか不思議だったのは、路上でのパフォーマーにはお金を出し、「小銭頂戴」といってくる人々に対しても財布を開いているベルリン人たちだが、ついぞこのMotzを買っている姿は見かけたことがなかったのだ。
どうしてなんだろう。。
…という疑問の謎が先日解けた気がした。
その日も私はカフェに座っていた。
すると、このMotzを手に掲げた人が店内に入って席を巡り始め、私のところにもきたので、どういう雑誌なのかみてみたいと思い、お金を出した。雑誌自体は1ユーロ20セントだが、細かいのがなかったので仕方なく2ユーロを出す。
すると「ありがとう!」といって立ち去ろうとする。
いやいや、と思い、「一部ちょうだい」と行ったところ、「申し訳ないけど、これはこの一部しかないから上げることはできないんだ」とのこと。
おもわず苦笑してしまい、「ならいい」と言ったけれども、ベルリン人がこの雑誌を買わない理由がちょっと分かってしまった気がした。
この人にとって雑誌を売るという仕事と、ひとからタダでお金をもらうということにまったく意味の違いはないんだな。
今から思えば、彼はMotzの正式な販売員ではなかったのだろう。
きっとどこかでこの雑誌を拾って、それを手に持つことで恰好をつけてお金をもらっていたのだろう。
しかしそういうことが一度でもあると、人はもう買わなくなる。
日本のビッグイシューが販売員さんたちにIDカードを出し、持ち場を定めている理由、「お金はいらない」というお客さんに対しても絶対に雑誌を渡すように徹底している理由、物乞いではなく仕事なんだという意識を徹底させている理由がすごい納得できた。
そんなことを考えていたら、日本で買っていた販売員さんたちの仕事ぶりが頭に浮かんできた。
わざわざ一部ずつ自腹でクリアファイルを買い、雑誌をその中に入れてお客さんに渡している販売員さん。
「お金はタダでもらわない」ことを理解しているお客さんたちが、「ならば、差し入れを」と持ってきた缶コーヒーやカイロが後ろにずらっと並んでいた販売員さん。
もと会社員だった人もいれば、作業員だった人もいる。
ものすごい流暢に接客できる人もいれば、あまり会話が得意ではないのか黙々と実直そうに働いている人もいる。
いずれにしても、私がこれまで接してきた彼らはプロだったなぁ……と思った一日。
2011年7月29日金曜日
2011年7月22日金曜日
役所
先日ビザをとってみた。
昨年まではビザ取得のためには朝の五時に行って長蛇の列に並ばなくてはならなかったらしいけど、今年から(?)はネットで予約できるというので待ち時間はほとんどなし。
でもね、あやうくとれないところだったよ、ビザ。
申請書とかパスポートとか写真とか用意して、「万全!」と思って臨んだのに、銀行の残高証明書を見たとたん
「これじゃ駄目」とかいってきた。
なぜならユーロじゃなくて円だから。
えー、だって日本の銀行の残高でも英文で残高証明書を出してもらえれば大丈夫って聞いてきたもん、といったものの、
「だってこれじゃユーロでいくらかわからないじゃない」ときた。
そんなんレートで調べればすぐわかるじゃん。
携帯でピコピコ計算して、
「今は一ユーロ114円くらいだから、ユーロにしたらこれくらい」と提示したら、
「全然足りないわよ」とあっさり却下。
あれ。。
一ケタ間違えていた…。
「さっきの間違い。こっちが本当!」と計算し直して見せたけど、
「本当かよ」的な表情で、かえって疑い度増したよね。。
なんか全然駄目、、みたいな雰囲気になってきたから、
「とにかく他の日本人だって日本の銀行の残高証明を出して通っているはずだから、これで大丈夫なはず」と言い張る。
最終的に、しょうがないわねぇみたいになって、
「他の人に聞いてくるからドアの前で待っていてちょうだい」と表に出される。
10分くらいまたされたよね。
本当にビザでないの?
だとしたら来月帰らなくちゃいけないじゃん。
でもこっち来て約二ヶ月間、仕事しかしてないんですけど。。
と思いながら待っていたら、ニコニコしながら係りの人がやってきた。
「なんか大丈夫みたい」と。
でしょぉ。
そうだと思ったのよ。
ということでとりあえずビザ出て万歳万歳。
だけど、これってあそこで引きさがっていたら出なかったってことよね。
けっこう、こわいものね、ビザ申請。
まぁ、ということで、しばらくいられることになったので、ドイツ語がんばります。
昨年まではビザ取得のためには朝の五時に行って長蛇の列に並ばなくてはならなかったらしいけど、今年から(?)はネットで予約できるというので待ち時間はほとんどなし。
でもね、あやうくとれないところだったよ、ビザ。
申請書とかパスポートとか写真とか用意して、「万全!」と思って臨んだのに、銀行の残高証明書を見たとたん
「これじゃ駄目」とかいってきた。
なぜならユーロじゃなくて円だから。
えー、だって日本の銀行の残高でも英文で残高証明書を出してもらえれば大丈夫って聞いてきたもん、といったものの、
「だってこれじゃユーロでいくらかわからないじゃない」ときた。
そんなんレートで調べればすぐわかるじゃん。
携帯でピコピコ計算して、
「今は一ユーロ114円くらいだから、ユーロにしたらこれくらい」と提示したら、
「全然足りないわよ」とあっさり却下。
あれ。。
一ケタ間違えていた…。
「さっきの間違い。こっちが本当!」と計算し直して見せたけど、
「本当かよ」的な表情で、かえって疑い度増したよね。。
なんか全然駄目、、みたいな雰囲気になってきたから、
「とにかく他の日本人だって日本の銀行の残高証明を出して通っているはずだから、これで大丈夫なはず」と言い張る。
最終的に、しょうがないわねぇみたいになって、
「他の人に聞いてくるからドアの前で待っていてちょうだい」と表に出される。
10分くらいまたされたよね。
本当にビザでないの?
だとしたら来月帰らなくちゃいけないじゃん。
でもこっち来て約二ヶ月間、仕事しかしてないんですけど。。
と思いながら待っていたら、ニコニコしながら係りの人がやってきた。
「なんか大丈夫みたい」と。
でしょぉ。
そうだと思ったのよ。
ということでとりあえずビザ出て万歳万歳。
だけど、これってあそこで引きさがっていたら出なかったってことよね。
けっこう、こわいものね、ビザ申請。
まぁ、ということで、しばらくいられることになったので、ドイツ語がんばります。
2011年7月14日木曜日
ナチュラル
夏になると、はだし率高しのベルリン。
電車でぺたぺた。
道路でぺたぺた。
お店でぺたぺた。
手に靴をもって歩いている人もいれば、家からはだしで来た疑いが濃厚な人もいる。
地下鉄の中はだしで歩いている人見ると、やっぱり一瞬ぎょっとするよね。
でもぎょっとしてるのはどうやら私だけっぽいから、まだまだ人生修業足りないんだと反省してる。
もっとも、あれだけ犬のうんち落ちてる道路をはだしでいく勇気にはちゃんと尊敬の念も送ってるよ。「その足で私の家には入るなよ」とも思ってるけどね。
ちなみにノーブラ率たかいのもびっくりよね。
今日は海水パンツ一丁(普通のパンツかも)で自転車に乗ってる男の人もいたよ。
そんな自然体一番のドイツ人、全国的にこれは同じとみなしていいのかしら。
それともやっぱりベルリン人だけと考えておいた方が無難なのかしら。
2011年7月9日土曜日
日本語
カフェで仕事をしていると、時々ドイツ人に話しかけられる。
日本語を書いているのが珍しいらしい。
ある時はPCを開いて原稿を書いていたのだが、ふと気付くと後ろに女の人が立って画面をジーッと眺めていた。
私が気配を察して振り向いてうわっとなると、「すてきね~」とため息をつかれた。
「それ日本語でしょう。上から下に、右から左へ流れて行くのね。クールだわ!」と。
いやいや、それほどでも。
またある時は、紙原稿の直しをしているところに、「小銭頂戴」とお店を回ってきた男の人がいた。
私のところにもきて「小銭…」と言いかけたのに、原稿を見た途端、小銭のことはすっかり忘れてしまったらしい。
「それ、日本語?」と聞いてきた。
「いやぁ、すごい。僕はドイツ語と英語とロシア語はできるけど、日本語は無理だね。いやぁ、すごい。がんばって」
しきりに褒めてくれて去って行った。
いやいや、母国語だからできて当然だけど、なんだか得した気分だわ。
日本語を書いているのが珍しいらしい。
ある時はPCを開いて原稿を書いていたのだが、ふと気付くと後ろに女の人が立って画面をジーッと眺めていた。
私が気配を察して振り向いてうわっとなると、「すてきね~」とため息をつかれた。
「それ日本語でしょう。上から下に、右から左へ流れて行くのね。クールだわ!」と。
いやいや、それほどでも。
またある時は、紙原稿の直しをしているところに、「小銭頂戴」とお店を回ってきた男の人がいた。
私のところにもきて「小銭…」と言いかけたのに、原稿を見た途端、小銭のことはすっかり忘れてしまったらしい。
「それ、日本語?」と聞いてきた。
「いやぁ、すごい。僕はドイツ語と英語とロシア語はできるけど、日本語は無理だね。いやぁ、すごい。がんばって」
しきりに褒めてくれて去って行った。
いやいや、母国語だからできて当然だけど、なんだか得した気分だわ。
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