金曜日、大学時代の教授一家と友人たちと飲む。
一年間のドイツ滞在を終えて帰ってこられた先生の「おかえりなさい」会。
土曜日、これまた大学時代の恩師の出版記念パーティで受付のお手伝い。
『漱石の「猫」とニーチェ ―稀代の哲学者に震撼した近代日本の知性たち―』
杉田弘子 (白水社)
「神は死んだ」というあまりに有名な言葉のほか、「超人」思想や「永遠回帰」思想など、近代思想に多大な影響を与えたフリードリヒ・ニーチェ。
そのニーチェ思想を、明治から大正における日本近代に生きた知識人たちは、どのような思いで受け入れていったのか。
高山樗牛・夏目漱石・新渡戸稲造・和辻哲郎・阿部次郎・萩原朔太郎・芥川龍之介の例で考察していく書。
大学時代、教授棟の10階、杉田先生の教授室で受けたゼミは、"Also sprach Zarathustra"を読み込んでいくというもの。
文章自体は難しくないはずなのに、比喩やパロディが多く内容が難解、何を言っているのかさっぱり分からない『ツァラトストラはかく語りき』。
杉田先生の導きがなかったら、きっと私も「さっぱり分からん」状態になっていたと思う。
それを細かく丁寧に、それでいて熱のこもった語り口調で次々と解説していってくださる杉田先生のゼミ時間は、大学時代でも楽しい時間のひとつだった。
そして先生の引き起こす「伝説」の数々も…。
たったの二年間では、ツァラトゥストラも約半分しか終わらず、残りもすべて聞きたかったと思うものの、卒業とともにそんな幸福な時間は終わってしまった。
でもそのおかげで…その間はどっぷりニーチェ思想にかぶれてた。
もちろん難解すぎて理解できないことも多かったけれど。。
この本は、そんな幸福な時間を思い出しながら読み進められる本。
ゼミはお昼御飯が終わった直後の午後からの一時間半だった。
窓の向かいに建つビルの白い壁にちょうど太陽光を反射して、チラチラと目がやられ、うっかり眠くなりがちだったけれど、そんなこんなも今となっては懐かしい思い出。
杉田先生、おめでとうございました。
これからもますますのご活躍を楽しみにしています。

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