織田作之助の『土曜夫人』を読んだ。
神田古書店で買った新潮文庫。
当時の定価は100円。
買ったのは420円。
昭和24年発行、
昭和45年34刷。
紙も大分黄色くなり、漢字も旧い。
『夫婦善哉』が好きだったため買ってみたが面白かった。
が、
どうも妙な終わり方だと思ったら未完の作品だった。
35歳で亡くなってしまった織田作之助。
生きて連載を完結させられたら、この物語の着地点はどこだったのだろう。
舞台は終戦後の京都。
焼け野原になってしまった東京とは違い、焼けずに残った唯一の都会、京都。
ダンサー、華族、カメラマン、連れ込み宿の女主人にスリにツバメに売春婦。。
たった二日間ほどの時間の流れの中で、京都の街のあちらこちらにカメラを向けては登場人物の一人ひとりの心の中を写し取っていく。
しかも、次から次へと新しく登場する人物たちが、全員何らかの縁で繋がりあっているという不思議。
小説としての出来不出来は別として、とても実験的で面白い小説だった。
当時の世相も分かり興味深い。
でも一番、素で驚いたのは、解説者が林芙美子だったこと。
時代を感じさせるなぁ。

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